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「バイオハザード2」のラクーンシティは
まるごとトロントダウンタウン
トロントのダウンタウンがまるごと撮影現場となった映画といえば、ゲームでも人気の「バイオハザード2 アポカリプス」。映画ではアメリカ中西部の小さな街ラクーンシティという設定だ。地下鉄、ホテル、市役所をはじめ街の風景にはトロントをほとんどそのまま使っている。
ラクーンシティは死のウィルスに汚染されて住民が生きる屍(アンデット)と化してしまう。それは結局、街の経済を支えてきた(じつは極秘に生物遺伝学の危険な実験をおこなっている組織)大製薬会社アンブレラコーポレーションのしわざなのだが、その国際本部ビルがトロントシティホール(市役所)だ。
警察本部の建物はシティホールとイートンセンター(ショッピングセンター)の間にあるマリオットホテル、ウィルスに感染した犬が集まってきて子供達がやられてしまう小学校にはシティホールの裏のコロニーホテルが使われている。(ラクーンシティを見るにはここをクリック)
じつはこの映画、トロントの住民にとっては笑えるところと本気でぞっとするところがあった。笑えるところというのは、街の名前”ラクーンシティ”だ。トロントは都会なのに野生のラクーン(あらいぐま)が街中ではばをきかせている。ラクーンは市内のいたるところに住んでいて、人が寝静まる深夜になるとエサを求めて家族連れで商店街を歩きまわる。
住宅地では家の外に置いてあるゴミバケツのフタを、あの手この手をつかって開け、中身をひっくりかえし住民は手をやいている。トロントのゴミ箱によく鍵がついているのはラクーン対策である。トロント大学のキャンパスに住みついているやつなどは、寮の学生からエサをもらえるので人間をこわがらなくなり、お腹がすくと昼間から庭に出てきて前足で人をつついたりする。愛嬌のある顔をしている動物だが、トロントでラクーンといえば、ずうずうしいカラスのような存在なのだ。
さて、映画を見たトロントニアンたちがぞっとしたのは「死のウィルスが街じゅうに広がり次々と人が死んでいく」、というところ。じつはバイオハザード撮影が行われていた頃、トロントはSARS(サーズ)騒動の真っ只中だった。
SARSのピーク時には、学校が閉鎖されたり、感染者の出た家の外には「近づくな」と書いた、事故現場などに使われる黄色いテープがはりめぐらされたりした。中国が発生源だということでチャイナタウンのレストランに人が寄りつかなくなってしまうなどたいへんだった。さまざまな噂が流れ、多くのトロント市民が「ウィルス恐怖症」となっていたので、トロントに死のウィルス・・・というのはなんだかリアリスティックな話しだったのである。
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